出典:ニッカンスポーツ
こんにちわコノハです。
2012年のロンドンオリンピックで日本発の
団体銀メダル獲得に貢献した太田雄貴さんは
東京オリンピック承知委員としての活躍でも大変大きな
役割を果たしたのは記憶に新しいです。
そんな大田さんが「あれが無かったらロンドン五輪の銀メダルは
無かったかもしれない…」とまで言わしめた、こだわりの道具が
ありました。
はじめに
ヨーロッパなどでは紳士のスポーツとして大変メジャーな競技でもある
フェンシングは、残念ながら日本国内での競技人口は1万人程度
といわれています。
そんなマイナースポーツに対する風当たりは厳しく、
特に道具を揃えるには何かと苦労が絶えないようです。
小学校時代に購入し、独自に改良を加えながら練習や試合を
こなしてきたようですが、さすがに専用のグリップをロンドン五輪に向けて
新調したいと考えていた2010年。
様々な金属加工メーカーへ問い合わせ
依頼をしていたそうですが、ことごとく断られたそうです。
そんな折、やっとたどり着いたのが、
ロストワックス精密鋳造品製造の専門会社「ニダック精密 株式会社」でした。
ロストワックス精密鋳造
紀元前からの技術
「ロストワックス」という技術の起源はメソポタミア文明頃からあるといわれていて
その当時、器等を大量生産する技術として確立していたようです。
日本へは中国が明(みん)の時代に伝わり、銅鐸、銅鏡、刀剣等が
造られるようになりました。
仏教の伝来で「ろう型鋳金」という方法を利用し、多くの仏像が造られ
奈良の大仏も精密鋳造技術により造られた代表作品との事です。
その製法を説明した簡単な動画がありますので、
そちらを確認してみてください。
出典:youtube
これが現代では機械で全て行なえるようになって、
メソポタミア文明では考えられないような超大量生産が可能となっています。
職人が獲らせたメダル
開発に2年を費やす
2010年9月1日に大田さんより正式な依頼を受けて
1ヵ月後にはサーベルの付属部品であるグリップを製作しています。
試作品として4個を納品し、その後二人三脚で開発を進めたそうです。
出典:kfe-fencing.jp
フェンシングで競技をする際に使うサーベルのことを
「電気剣」というそうですが、いくつも種類があるようです。
大田さんは写真のG「ピストル型」をつかっているようです。
どちらのサーベルが相手の体に一番早く触れるか勝負する
スピード競技ですので、道具と体に一体感がなければ勝負に
不利になるそうです。
何度も試作品を試して、先端部を2mm長くしたいという
大田さんが要望を出し、それに応えるべく更に改良を加えました。
納品ごとにバージョンアップ!
2011年4月13日に同社へ訪問した際には
バージョンアップした完成品7本を納品。
その1年後にも更に改良を加えたものを7本。
出典:アサヒデジタル
結果、ロンドン五輪の団体種目で銀メダルを獲得するに至ったわけです。
メーカーの職人技と魂を感じられる素晴らしいエピソードですね。
期待に応えること
綺麗にする方法はありますか?
2012年10月19日にロンドンオリンピックの報告とお礼を述べるために
同社を訪問した際、見せてくれたメダルには多くの人が触ったおかげで
だいぶ手垢汚れが付いていたようです。
出典:第一経理
↑ニダック精密 株式会社の工作技術部取締役部長
鎌田 充宏 氏と
「きれいにできませんか?」と質問をした大田さんを気遣い
系列会社の「ニダック㈱」研究スタッフがすぐに対応し
無事、綺麗な元のピカピカに仕上げてくれたそうです。
こういう迅速な対応って、顧客にとってとても有り難いことで
更に信頼を寄せる効果があります。
自然とこのような対応が出来る職人って凄いですね。
まとめ
紀元前からある技術が未だに大活躍しているのに驚きですね。
それだけ技術がしっかりしていて、そこから生み出される製品に
多くの可能性があるのでしょう。
今後の活躍にも期待したいです。
- ロストワックス製法は紀元前からある鋳造技術
- 日本は中国が明の時代に伝来し、銅鐸、銅鏡、刀剣等が作られた
- 奈良の大仏も同じ技術で作られている
- フェンシングの日本国内競技人口は1万人程度
- フェンシングで使用するソードは「電気剣」という
- 「電気剣」のグリップ部にはいくつも種類がある
- 新調したグリップのおかげでロンドン五輪で団体銀メダルを取れた
編集後記
マイナースポーツでは常につきまとう問題ですが
それを助けてあげようという意気込みを多くの人が持ってほしいですね。
日本代表を影ながら支えるってカッコイイです。
でわでわ、また今度。