こんにちわコノハです。
お掃除する時は掃除機よりホウキ派です。
機械でやると音がうるさくて角っちょの細かい
埃とか取れないんですよね…
出典:calico-gem
日本には古来より伝統工芸品として
箒がありますが、その最高級品はお値段
100万円するそうです…
はじめに
岩手県北部に位置する九戸村の倉野地区に
「有限会社高倉工芸」という南部箒を専門に製作する
職人の会社があります。
南部箒はもともと、農家が越冬時の副業として
箒草を使って作られたのが始まりだそうです。
高倉工芸さんも、もとは農家で
1991年以前は箒草を栽培し、製作も行っていたそうですが
製作専業に徹し、4年後の1995年に農林水産省が定める
「認定農業者」を取得しています。
出典:Facebook (有)高倉工芸:高倉清勝 氏
高級箒の秘密
全て手作業で無農薬栽培
南部箒の原材料となる「箒草」はイネ科モロコシ属の1年草。
高倉工芸では約3ヘクタールの農地で、無農薬栽培に徹し
安心・安全な箒草を栽培しているそうです。
土起こしから始め、一粒づつ種を撒き上から足で
押さえつけるように土をかぶせていきます。
種蒔きの際に製品用途別に材質を栽培でコントロールでき
上質な箒を作ることが出来るのです。
出典:timeforever.net より
良質の物を作るためには成熟する前に刈り取る必要があり
収穫期は8月頃から始めます。収穫にも独特の方法があり
草の途中から折るようにして刈り取ることで1番穂、2番穂
3番穂と三度収穫することが出来ます。
(一番穂が高級品とされる)
岩手県の北部地方に吹く湿った霧「やませ」
この冷気が箒草の穂先を縮れさせることで
埃を掻き出すバネ状に変化することが南部箒の
最大の特徴です。
出典:timeforever.net より
このバネ状の縮れ具合で15段階に種類を分け
細かい選別をする事で製品別用途に差をつけ
価格に影響させているそうです。
湯通し、乾燥、選別作業を終えると
製品の八割は完成したといわれるほど重要な作業です。
その後、職人一人一人の手によって絹糸を使って織り上げられ
素晴らしい伝統工芸品が完成します。
出典:youtube 「日本が誇る伝統工芸の傑作 「南部箒」」より
こちらの動画は南部箒の栽培から収穫、
実際の商品製造について取材されたものです。
冒頭で出てきた100万円の箒ですが
その製法が凄く豪華仕様なんです。
職人たちが最高級品と認めるホウキモロコシを使用し
全て柄の先までホウキモロコシのみで作り上げています。
この最高級株を集めるのに10年掛かったそうです。
最後の仕上げに締め上げる糸は絹糸を使い
元締めにはK18の針金を、金具にはプラチナが
使用されているという贅沢すぎる一品です。
一生のうちで3本で十分
南部箒はゴミを掻き出す能力に大変優れている
にもかかわらず、素材を傷めない特徴があります。
例えばスーツやスカート、和服・礼服、カシミヤ
ソファやベッドなどあらゆる素材に対して優しく埃を
掻き出すことが出来ます。
掃除機よりもゴミや埃がとれるうえに素材を傷めず
メンテナンスをしっかりやれば10年以上もの耐久性がある
優れものです。
しかも毛玉の付いたセーターに対しては
撫でるように毛並みを整えれば、毛玉が無くなり
埃も落ちるというから驚きです。
また、「そこまで綺麗に仕上げるか!」というくらい
美術品として飾りにもなるほど綺麗な仕上げを施しています。
箒には神様が宿るといわれ、その昔は福の神が宿るものとして
大事に扱われていたくらいですから。
まとめ
南部箒の驚きの価格には面食らってしまいそうですが
その製法や種苗栽培から拘り抜いた職人技を知れば
きっと欲しくなると思われます。
なかなかハードルが高いですが
機会があれば是非、手にとって職人と会話し
その伝統工芸に触れて、魅力を知ってほしい1品です。
- 岩手県北部に位置する九戸村が一大生産地
- (有)高倉工芸は3ヘクタールの農地に無農薬でホウキモロコシを栽培している
- 全て手作業で行い、安心・安全を社是としている
- 代表の高倉清勝氏は農林水産省の「認定農業者」を取得
- 1つ1万~最高級品では100万円の商品がある
- あらゆる素材に優しく、埃とりに最適、セーターの毛玉も直してしまう
- カシミヤや絨毯の毛起こしにも使える
公式ホームページ:http://nanbuhouki.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/takakurakougei
編集後記
コノハの実家にも天然素材で作られたホウキがありました。
新品の畳と一緒で良いにおいがするのです。
あの独特の草の匂いって大好きです。
でわでわ、また今度。