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宝石サンゴは生息地や量の希少性で値段高騰!密漁横行の理由

      2015/03/02

宝石珊瑚の生息地

 宝石サンゴ
出典:libertariansdiary.com

 

こんにちわコノハです。
価値観って人それぞれ違うものですが、
お国が変われば希少性も変化するのが世の常です。
投機の対象となる物には貴金属や不動産、
環境やアイディアなど様々ありますが、
宝石サンゴもそのひとつですね。
「宝石サンゴ」と呼ばれる珊瑚は、
八放サンゴ亜綱ヤギ目サンゴ科に
属しているものが対象で、
未記載種を含む8種が利用されているそうです。

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はじめに

「宝石珊瑚」の主な生息地として地中海、日本・台湾近海、ミッドウエー・ハワイ近海に分布し、
日本近海では相模湾以南の水深100mから300mの海底にアカサンゴ、
モモイロサンゴ、シロサンゴが生息しており、高知、鹿児島、沖縄で漁獲されています。

漁は許可制となっていて各都道府県や所属漁協からの許可が無い猟師や
当然ながら、一般人は採取することが禁じられていて、更に2008年、
中国の申し入れで赤サンゴなど4種のサンゴがワシントン条約で輸出入が規制される
リストに加えられていますが、日本はこの規制に反対する立場をとっています。

また、浅瀬海域(数十m程度)で珊瑚礁を形成するサンゴの多くは
六放サンゴ亜綱に属し、宝石サンゴとは分類も生態も異なるそうです。

 

投機の対象となる資源

密漁が横行する理由

台風が接近しても帰国しようとしない中国密漁漁船の根性には呆れますが
中国では赤色は縁起物とされ富裕層の投機対象となっているそうで、出る所では
1グラム当たり最高¥18~36万もの値段がつけられるというから驚きです。

実際日本国内で正規に漁が認められている高知県のある漁師等は
マグロ漁を辞めてまで赤サンゴ漁に乗り換える者が出てくるなど、漁師の
生活は漁業で成り立たないのが現状のようです。

高知県漁業振興課によると、競りで決まる1キロ当たりの平均単価は
2014年8月時点で52万6千円と、2年前の倍に跳ね上がった。

「サンゴバブル」ともいえる事態だ。

これを受け、魚の価格下落にあえぐ室戸、足摺沖の漁師が
宝石サンゴ漁にシフトしている。

県が許可するサンゴ漁の漁業者は09年4月末の152人から、
今年7月末には213人に増えた。

出典:朝日デジタル

背景にあるのは不景気はもちろん、国民の魚離れも一因とされていて
食の欧米化や魚の食べ方を知らない世代、面倒と感じる人が多くなったことも
漁業が衰退するきっかけとなっているようです。

 

宝石サンゴの生息地

宝石サンゴの生息域については、きちんとした調査が完了しておらず
深海100~1,200m以上に生息していることが分かっています。

このように生息域が深海であるため、これまで調査が進まず
しかし大まかな分布として次の図に示してあるエリアでその生息が確認されています。

 

欧州での宝石サンゴ分布図
出典:35c.co.jp

欧州は主に「地中海珊瑚(サルジ)」と呼ばれる種類が獲れるようです。

 

 

さらにさらに、国内はというと・・・

 

日本国内の宝石サンゴ分布図
出典:35c.co.jp

日本近海の宝石サンゴに分類されるものは種類も豊富で、この小さなエリアに
様々な宝石サンゴが分布しています。

  • 紅珊瑚:土佐沖、奄美、八丈島
  • ボケ珊瑚:南支那海
  • 桃珊瑚:八丈島、沖縄、フィリピン
  • 白珊瑚:東支那海
  • 深海珊瑚:ミッドウェイ海域

次の項目では実際にどんな姿形なのかを見ていきたいと思います。

 

 

宝石サンゴの種類

宝石サンゴといってもその対象になるのは
大別して7~8種類に分類されるようです。

赤サンゴ
出典:xn--n9jf7e0c.xyz

赤(紅)サンゴ
一般では血赤と呼ばれる赤サンゴの原木は、高知県沖(室戸)の海底、
約300mに多く生息し、その色合と品質の良さから海外へ大量に輸出された種類です。
その為、現在では採取量も少なく希少価値という面で人気も高く、中でも色の赤黒いものは
最高級品として取り扱われています。

出典:kochi-sango.com

 

 

 

 

地中海サンゴ
出典:宝石珊瑚のSUNSUI

地中海サンゴ
「サルジ」または「胡渡り」と呼ばれ、イタリアはサルジニア島近海の海底約30mの浅海に
多く生息している種類です。水深が浅い為成長も早く、あまり大きくなりません。
(大きな物でも高さ30cm程度)その為、素潜りで採取する漁師もいるぐらいです。
このサンゴは赤サンゴに似て美しい為、人気も高く、中でも色の赤黒いものは高級品として
取り扱われています。

出典:kochi-sango.com

 

 

 

桃色サンゴ
出典:沖縄美ら海水族館

桃色サンゴ
日本近海の広い範囲に生息している種類で、海底300m~500mで採取されます。
その中でも高知県沖(宿毛)で採取 されるものが色、品質共に良いとされ、彫刻細工に
よく用いられる素材です。色は、ほのかなピンク色からオレンジ、桃赤と呼ばれる赤サンゴに近い
色調を持つものまで幅広く、「お月さんももいろ」と言う童話も出来た程、昔から人々に愛され
続けている種類です。

出典:kochi-sango.com

 

 

 

 

本ボケサンゴ
出典:宝石珊瑚のSUNSUI

本ボケサンゴ(エンジェルスキン)
この種類は、厳密に言うと桃色サンゴに入ります。
原木全体が、ほのかなピンク色をしており、加工すると非常に優しい色合と光沢が出てきます。
現在では採取量も無く、幻のサンゴとなっています。このサンゴに類似した「マガイ」と呼ばれる
種類がありますが、本ボケサンゴと見間違う事からマガイと名付けられています、
偽物という意味ではございません。

出典:kochi-sango.com

 

 

 

 

ミッドウェー珊瑚
出典:宝石珊瑚のSUNSUI

ピンク系サンゴ
一般的なのが、深海サンゴと呼ばれる種類です。
この種類は東シナ海、ハワイ沖、1200m以上の海底に生息していて、
特徴として白色に赤い模様を持ったもの、ピンク色に赤い模様を持ったものが有ります。
その個性的な模様から注目度の高い原木ですが、ここ10年間新木の材料は採取されておりません。
この他にピンク系サンゴには、ミッドウェー諸島近海で採取される「ミッド」と呼ばれるサンゴや、
ガーネサンゴ(深海ガーネット)、香港沖で採取される「ミス(姫)サンゴ」があります。
※画像は「ミッドウェー珊瑚」です。

出典:kochi-sango.com

 

 

 

 

小笠原白珊瑚
出典:宝石珊瑚のSUNSUI

白サンゴ
東シナ海から日本近海の広い範囲に生息する種類です。
基本的には桃色サンゴに分類されますが、白を基調としている為、分類、種類共に区別されています。
中でも象牙色(淡黄白色)を持ったものは、希少性が高く、細工がより際立ち、仕上がりも美しい為
高値で取引されます。

※画像は「小笠原白珊瑚」です。

出典:kochi-sango.com

 

 

 

 

上記の他にも類似品として以下の種類が、
宝石品のサンゴとして取り扱われているようです。

イソバナ類(八放サンゴ亜綱)
骨軸は赤く、多孔質です。アップルコーラス、スポンジコーラルとして流通しています。

 

トクササンゴ類(八放サンゴ亜綱)
骨軸は白く、角質の黒い節があります。
赤く染色され、山珊瑚やバンブーコーラルとして流通しています。
特に、チベットなどでは装身具や装飾品に多用されています。

出典:es.ris.ac.jp

 

黒珊瑚
出典:暗黒大陸小魚信

黒サンゴ
このサンゴは宝石サンゴでなく、造礁サンゴ(サンゴ礁)に分類されます。
この為、ハワイ州政府が許可した、ハワイ在住の漁師のみ採取することが
許されているものです。(環境保護の為)ハワイでよくお土産品として販売されています。

・補足・
一般に流通する宝石サンゴは、ワシントン条約で規制されていない深海に生息するサンゴです。
珊瑚礁は規制の対象となる為、採取したり傷つけたりする事はできません。

出典:kochi-sango.com

 

宝石サンゴといっても、多種多様にあるようですね。
しかし中でも「赤珊瑚」「桃色珊瑚」「本ボケ珊瑚」等は特に
高値で取引されているようです。

 

珊瑚との共存

成長が著しくゆっくり

立正大学:岩崎望氏のレポートでは高知県~沖縄近海20箇所で行なった調査で
代表的な宝石サンゴの分布密度について平均0.74 群体/100平米であることが
報告されています。

それらのうち最も商品価値の高いアカサンゴの平均密度は、0.45 群体/100平米と
特に生息域が小さく、より希少性に富んだ固体となっているのがわかります。

さらに、その成長速度は驚くほどゆっくりで
年間で0.15mm程度と報告されています。

 

持続可能な資源にするために

高知県では2013年3月から珊瑚が産卵する6~7月期を
禁猟とし、資源保護に努めています。

ある専門化によれば、宝石珊瑚類の成長スピードを計算すると
1つのエリアで一定程度採取した後は、休漁期間を設けるべきだと
主張する人もいます。

その期間何と、10年。
大人の小指大に成長するまで50年程度は掛かるといわれるので
それだけのペースを守らないと、宝石珊瑚は今後姿を消すかもしれないのです。

当然、漁獲量も限られてくるので許可された指定エリアを
輪番制のように巡回操業することが望ましいとされています。

 

法的罰則の引き上げを検討しては?

中国では密漁が禁止されていますが、闇のマーケットで売りさばくシステムが
出来上がっていて、一攫千金を狙った密猟者が後を絶たず、むしろ近い将来
規制が強化されるのを計算に入れて、今の内に稼いでおこうという動きが大勢のようです。

 

出典:youtube

上の動画は福岡地裁が出した判決で、ある密漁に関する裁判で
その判決がどういうものであったかを解説しています。
現行の法律って穴が多いんですね…。

かたや獲られる側の日本における密猟者への罰則は
最大でも1千万程度と少なく、それこそ一攫千金を狙う密猟者にとっては
リスクを犯しても獲りに行く者が後を絶たない状況になっているようです。

今後の政府の資源保護に対する動きを期待したいです。

 

まとめ

宝石珊瑚は希少資源です。
一部の富裕層が経済の先行き不安から、貴金属に次ぐ
付加価値の高い資産として取引している背景があります。

行き過ぎた投機はバブルを招きますが、今後これらの
動きを規制するため、当局が動くのは間違いありません。

それよりも密猟者やそれを考える人たちへの
教育が一番の保護に繋がると思われます。

今後の当局による動きに注目です。

  • 宝石珊瑚は8種類ほどある
  • 中でも「赤珊瑚」「桃色珊瑚」「本ボケ珊瑚」は高値で取引される
  • 正規の取引でも1グラム当たり18~37万円と高騰傾向
  • 国内でも漁業者がマグロ漁から乗り換える人が増加している
  • 高値の宝石珊瑚は生息地が日本近海に多く分布している
  • 赤珊瑚の場合、年間0.15mmしか成長しない
  • 100m四方で1群体以下の生息数で超希少
  • 大人の小指大にまで成長するのに50年掛かる
  • 中国は2008年にワシントン条約へ取引既製品として勧告し、登録されている

 

参考サイト

 

編集後記

海の向こう側にいさり火が…と思ったら密猟者!!!!
小笠原諸島に住む住民のインタビューを見ていると
島民へ危害を加えるとは考えられませんが、とても不安を感じるのは
分かる気がします。

早急に解決することを願います。

 

でわでわ、また今度。

 

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