ミネルヴァの翼

世の中のハテナ?を独自の視点で考察!

*

ユネスコ無形文化遺産に和紙の石州半紙、本美濃紙、細川紙が登録!

      2015/01/13

和紙がユネスコ世界文化遺産へ登録

こんにちわコノハです。

日本って凄いなーって思わされる
ニュースが最近多いですね。

スポンサーリンク

手漉き
出典:石州和紙会館より

ユネスコの無形文化遺産に
日本を代表する3つの「和紙」が
まとめて登録されることが決まりました。

はじめに

今回ユネスコに登録勧告されたのは
「手漉き(てすき)和紙の技術」で、2009年に
既に「石州半紙(せきしゅうばんし)」が登録されています。

その後、岐阜県美濃市の「本美濃紙(ほんみのし)」が
次いで登録を試みるも、ユネスコからは「石州判紙と似ている」
という理由から登録ならず、今回三紙まとめて
日本政府が勧告を行なったそうです。

ちなみに既に登録されている無形文化遺産に
類似の文化を加える等の拡張提案を日本が
行ったのは今回が初めてとのことです。

日本の和紙は国内より海外からの評価が高いんですよ。
何でもそういう傾向があるような気もしますが…

 

和紙とは?

和紙の歴史

そもそも「紙」は紀元前2500年頃に
エジプトで始めて登場しますね。
日本はその頃まだ「縄文時代」です。

日本が古墳時代の384年頃
エジプトから中国を経由し中国王朝の東晋の
僧侶:摩羅難陀が古代の朝鮮半島南西部にあった
国家:百済(くだら)に仏教と製紙を伝えました。

日本の現存資料上、最初に製紙されたと確認できるのは
「日本書紀」に記載されているものが最古です。

それは推古天皇時代の610年頃、
現在の中国東北部南部から朝鮮北中部にあった
ツングース系民族の国家「高句麗」の僧侶
曇徴(どんちょう)が墨等と共に製紙を伝えたとされています。

三国志時代の朝鮮の地図
↑三国志時代の朝鮮の図

 

3つとも基本的な部分は同じ

3つ同時に再提案というのは珍しい例のようですが
それぞれにどのような違いがあるかといえば…
和紙の基本的な製法や使用する材料については
どれも同じのようです。

桑科の植物で「楮(こうぞ)」という木から
繊維を取り出し、手漉きで漉いていきます。

楮は麻の次に繊維が長めで絡み合いやすく
水への耐久性もあり、揉んでも強いため
和紙の原材料として適しているそうです。

 

出典:youtube 「わたしを みたす 奈良。 ~ 手漉き和紙体験 ~」より

上の動画はお馴染みの手漉き和紙を奈良県で体験したものです。
今ではオリジナリティあふれる製品が沢山あって、動画にもある花びらや
草木を混ぜ込んで漉いた物やカーテンレースのようなデザインセンスにあふれた
紙漉き製品もあるようです。

 

レースペーパー
出典:土佐手漉き和紙「MORISA」のレースペーパー

 

日本三大和紙について

石州半紙(せきしゅうばんし)とは

島根県の西部、石見地方で製造される和紙をさし
1,300年の歴史があり日本最古です。

原料は楮・三椏・雁皮の植物の靱皮繊維を使用し、
補助材料としてネリに「トロロアオイ」の根の粘液を使い、
竹簀や萱簀を桁にはさんで「流し漉き」によりつくられます。

生産の最も多い石州半紙(楮紙)は地元で栽培された
良質の楮を使用して漉かれ、微細で強靭で光沢のある
和紙であります。

かっては大阪商人が石州半紙を帳簿に用い、
火災のときいち早く井戸に投げ込んで保存を図ったものです。

出典:石州和紙会館より

石州和紙
出典:IPA教育用画像集より「石州和紙」

 

 

 

本美濃紙(ほんみのし)とは

1969年に国の重要無形文化財の指定を受けた。
美濃和紙の中でも最高級の和紙。

原料は楮のみで伝統的な製法と製紙用具での流しすき、
板干しによる乾燥などの指定要件があり、認定団体の
本美濃紙保存会員がすいたものを本美濃紙としています。

 

本美濃紙指定要件

  1. 原料はこうぞのみであること。
  2. 伝統的な製法と製紙用具によること。
    2-1. 白皮作業を行い、煮熟には草木灰またはソーダ灰を使用すること。
    2-2. 薬品漂白は行わず、 料を紙料に添加しないこと。
    2-3. 叩解は、手打ちまたはこれに準じた方法で行うこと。
    2-4. 抄造は、「ねり」にとろろあおいを用い、「かぎつけ」
    または「そぎつけ」の竹簀による流漉きであること。
    2-5. 板干しによる乾燥であること。
  3. 伝統的な本美濃紙の色沢、地合等の特質を保持すること

出典:本美濃紙保存会より

本美濃紙
出典:佐藤圭(らいら工房)ホームページより

 

 

細川紙とは

1978年4月26日に紙漉き技術が
国指定無形文化財に指定されました。

現在、埼玉県比企郡小川町と秩父郡東秩父村のみで
その技術が保持されています。

細川紙の指定要件は原料は楮のみで、伝統的な製法と
製紙用具によること、伝統的な細川紙の色沢、地合などの
特質を保持することが挙げられます。

それまで貴族や武家などの高級な奉書紙として
製造されていた和紙ですが、近世商家や町方や村方役所で
好まれた庶民の生活必需品としてつくられてきました。

見た目の美しさよりも強靭なもので手に入りやすいことが
求められました。いわゆる普及タイプです。

 

細川紙
出典:小川町役所ホームページより

 

 

和紙の製造については原料は同じでも
漉く元となる材料を薄くしたり楮の繊維をどの程度
細かくするかで色合いや繊維としての強さ、手間、
風合いが変わってきます。

それぞれの地域で独自の製造方法を編み出した先人達が
指定要件を構築し、今に伝わっているのですね。

 

後継者不足で衰退の危機!

日本の伝統が常にかかえる後継者問題ですが
埼玉県小川町で細川紙職人の鷹野禎三さん(73)によると…

「きれいに漉く難しさと後継者を育てるのが悩みで
1枚でも1000枚でも同じ厚さでなければ商品として売れないんです。
それを手作りでやるから難しい。

その技術を継承するには後継者を育てる必要があるのですが、
需要がないために後継者を育てたとしてもその子が食べていけなく
なってしまう。軽々に話ができないんですよ」

出典:J-CASTニュース

…と、問題の根深さを語っています。

 

同じ問題に直面している石州半紙技術者会
川平正男会長(73)のお話として

「地元の工房はわずか4軒で、
生活を維持しながらの後継者育成も年々、難しさを増している」
という。そこで現状打破のため新しい試みとして
三隅町では1986年から南アジア・ブータン王国の要請で、
現地での技術指導や研修生受け入れを続けているそうです。

出典:読売新聞

後継者育成も課題ですが、教える側の年齢が
高齢化しているのも気になるところですね。

匠達が元気な内に、深い技術を学ぶ後継者が
育成されることを期待したいです。

 

まとめ

日本政府がわざわざ再提案してまで再登録を勧告した
「和紙」は海外からの評価が大変高く、逆に国内では
担い手が減少傾向にある、危機遺産でもあります。

1300年以上もある歴史や伝統、文化財としての
価値の高さを後世に伝えるため、みんなで考える必要がありそうです。

  • ユネスコ無形文化遺産の11月開催検討会議で登録予定
  • 日本三大和紙の紙漉き技術が世界遺産となる
  • 和紙の石州半(ばん)紙、本美濃紙(ほんみのし)、細川紙
  • エジプトから中国・朝鮮と経由し、日本へ伝来
  • 西洋紙よりも耐久性に優れ保存性がいい
  • 海外からの評価がべらぼうに高い
  • 後継者不足で衰退の危機

編集後記

最近、障子戸を見なくなって久しいですが
それと同時にこのような裏方さん達のお仕事が無くなって
しまっていたんですね。

無くしてから気づくナントヤラ…にはなってほしくないです。

 

でわでわ、また今度。

 

スポンサーリンク

 - プロフェッショナル